電池の再現に求められる電圧と電流の動き

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実際に走らせる直前にモーターセレクターを使った負荷回転数の確認をピットでも行えるよう、コンパクトなDC電源の開発を進めています。できれば走らせる電池に近い状態でモーター確認が行いたいと考え、電池のシミュレーションを試みました。広く使われる電源では行えない電流量に応じた電圧の変化という動作ができる段階まで来たので、ここではその電池を再現する「模擬電源」を使った場合に電圧-電流がどのように動くのか紹介します。

ネオチャンプ(ニッケル水素)を再現

ネオチャンプ(ニッケル水素)を再現

実際に模擬電源でニッスイを再現して、マッハを回して負荷を変えた時の電圧と電流の変化です。

走行時間による電圧低下や内部抵抗の変化には対応していませんが、負荷(電流)の上昇に応じてモーターに加わる電圧が低下しているため、モーターセレクターを使った負荷回転数の比較において、電圧が固定されているよりも、より電池に近い状態でチェックが出来そうです。

*まだ調査段階であり、環境や個人ごとに異なると思われるため、模倣元の電池特性は示しません

アルカリ電池(FDK)を再現

アルカリ電池(FDK)を再現

同様に次はアルカリ電池を再現してモーターを回し、負荷を加えた結果です。

ネオチャンプよりも内部抵抗が高いため高負荷時の電圧低下が大きくなることが分かります。この差により速度の差が出ているものと考えられます。

付録-定電流定電圧(CCCV)モード

開発中の模擬電源ならではの動きは以上となりますが、電圧の低下の仕方の違いを分かりやすく伝えられると思い、ここでは広く使われる電源のCCとCVモードが切り替わる際の電圧-電流の動きについて示しています。

定電流定電圧(CCCV)モード

電流と電圧の上限を設定してその範囲内に収まるように制御するモードで、サンダーなどにも実装されている機能です。

この例では電圧3V電流2.7Aの設定としていますが、負荷が上がると電流の上限を超えないように電圧を下げて制限する処理が行われます。

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